マットの上に背中を打ちつけ、反動で肺の中の空気を全て吐き出したように喘ぐあいつに歩み寄る。タオルを手渡しながら顔を覗き込むと、
『…はぁ、…はぁー…足が引っかかっちまった。あーもー…なんで
その言葉を聞いて、”なんで蛙?”と思ったものだった。
なんで蛙、ただそう一言聞き返せばよかったのに。
vertical leap of frogs.
陽が傾いて無骨なビル群を斜めからキラキラと輝かせる中、
いつも渡る橋の真ん中で足を止め、高欄へ背中を凭れさせる。
“蛙 ジャンプ力”
指先で何気なく検索して、雑学のページに飛ぶ。
『カエルがジャンプ出来る高さは自分の体のおよそ20倍。
…あぁ、そういう事だったのか。
「あれ?せいちんじゃん、せいちん」
聞き覚えのある声に顔を上げるとそこには、
「え、マジで?マジでせいちん?うわすげぇー偶然。
俺の名前を変なあだ名で呼ぶ彼に”清彦(きよひこ)だよ”と返す
今はもうこの街には住んでいないらしい彼は、
こんなにもスムーズに彼と会話が出来たのか自分は、
今なら、話題に。
「…もし人間がみんなカエルになっても、
「え?何の話?」
全く何のことを言っているのかサッパリ、